1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。
そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。
そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。
私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。
物語は、「青豆」というスポーツ・インストラクター(裏家業正義の暗殺者)と予備校で数学教師をしながら小説を書いている「天吾」を主人公とし、物語が交互に入れ替わり進行します。読んでいくうちにぐいぐい引き込まれあっという間に1Q84 BOOK 1読破。謎の美少女「ふかえり」。リトル・ピープルとは?。空気さなぎとは?。非常に読みやすく BOOK 2になぞを残しつつ終わります。
カルト教団。少女への性犯罪。社会の闇を鋭く突いた問題定義。リトル・ピープルや空気さなぎ、ふたつの月など非現実的世界の1984年ではない1Q84年という設定。青豆が、世界が入れ替わった場所へと戻ってくる行は、どきどきものです。でも結局は、青豆と天吾の純愛物語ですよね。そんなふたりのつながりは徐々に解明されていきます。こんなにも淡い恋があったんですね。このふたりぜひとも再会させてあげたい。早くもBOOK3とBOOK4の発売の予感のする終わり方です。早く続きが読みたい。
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